高崎市浜川町の大山医院のホームページです。地域の皆様のかかりつけ医として、循環器内科,呼吸器内科,内科を中心に診療を行っております。

大山医院

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コラム

高血圧の2回目のお話

前回に続いて高血圧のお話です。

4. 血圧が高いが症状がないから大丈夫?
血圧が高くても何の症状もないから大丈夫だと、考えている方もいると思います。
診察をしていると、そのように言われることもあります。
しかし、高血圧の場合、ほとんど症状を感じることはありません。
高血圧1/2の法則というのがあります。
高血圧の人のうち、自分が高血圧とわかっている人は、高血圧の全体の半分しかいない、そして高血圧とわかっている人のうち、治療している人はそのまた半分しかいないと言われています。
つまり、高血圧の患者さんのうち、治療している人は4人に1人しかいないと言われています。
そして、高血圧を放置していると、前回に述べたような病気が突然襲いかかってくることになります。

5. 治療内容、降圧の目標
ではどうすればいいのでしょうか。
また、どのくらいまで血圧を下げればいいのでしょうか。
まず生活習慣の改善があげられます。
食塩制限、野菜や果物の摂取とコレステロール制限や飽和脂肪酸の制限、適正体重の維持、適度な運動、アルコール制限、禁煙が基本となります。
しかし、生活習慣の修正は大切なのですが、これだけでは十分血圧が下がらないことが多く、さらに達成と維持が困難な点が限界となっています。
結果として、高血圧の患者さんの多くは、血圧を下げる降圧剤を内服することになります。
では、血圧はどこまで下げればよいのでしょうか。
高血圧は140/90mmHg以上ですので、血圧を正常化するには目標値が140/90mmHg未満となります。
ただし、腎臓病や糖尿病の患者さんでは、より低い血圧が腎臓を守るために重要で、目標は130/80mmHg未満となります。
高齢の方も原則は140/90mmHg未満ですが、年齢や自覚症状、血管の状態などへの配慮が必要です。
75歳以上の人や、血圧が下がると調子が悪くなる人などは、少し高めでよいかも知れません。

最後に・・・沈黙の殺し屋といわれるように、高血圧は放置しておくと、恐ろしいですが、ちゃんと治療していれば、怖くありません。いままで血圧を測ったことがないという方は、ぜひ一度血圧を測ってみることをおすすめします。

2017-10-20 10:20:00

高血圧のお話

毎日、暑い日が続いています。前回からだいぶ時間がたってしまいました。
職場などの検診で、血圧が高いと指摘されたことはないでしょうか。今回は、高血圧のお話です。

1.血圧とは何?
まず血圧とはなんでしょうか。心臓は、血液を全身に栄養や酸素を送り届けています。それで生命を維持できています。
血圧とは、この血液が血管に加える圧力のことをいいます。少し細かいお話になりますが、心臓がぎゅっと収縮したときに血管にかかる圧力のことを収縮期血圧(いわゆる上の血圧)で、この時血圧は高くなります。反対に、全身をめぐった血液が心臓に戻るときには心臓が拡張しますが、このときの血圧を拡張期血圧といい、低くなります。(いわゆる下の血圧)
高血圧とは、収縮血圧、拡張期血圧の両方またはいずれかが上昇して、血管に過度の圧力がかかっている状態を指します。
では、どのくらいの高さになると、高血圧なのでしょうか。
診察室で測定した血圧(病院・診療所等で医師・看護師により測定された血圧)が140/90mmHg以上、家庭で測定した血圧が135/85mmHg以上を、高血圧としています。

2.どうして高血圧になるの?
では、どうして高血圧になるのでしょうか。
高血圧は、原因により一次性高血圧と二次性高血圧に分類されます。
一次性高血圧は、本態性高血圧とも呼ばれ、その原因ははっきりしていませんが、食塩のとりすぎ、加齢による血管の老化、ストレス、過労、運動不足、肥満、そして遺伝的要因などにより、高血圧の状態となっていると考えられ、高血圧の患者さんの大半が、この本態性高血圧です。
一方、二次性高血圧は腎臓病やホルモン異常など、原因となる病気があるものを言います。こちらは、原因となる病気が快方に向かうと、高血圧も改善します。

3.高血圧は、沈黙の殺し屋
高血圧を放っておくと、動脈硬化が進行し、やがて脳卒中、心臓病、腎臓病などの病気を引き起こします。高血圧の恐ろしさは、これらの高血圧合併症にあるのです。
そして、これらの病気は、ほとんどの場合、何のまえぶれもなく突然襲いかかってきます。ある日突然、大動脈解離(以前は解離性大動脈瘤と言いました。)、心筋梗塞を起こしたり、脳卒中を起こしたりします。
また、腎臓病は、かなり腎機能が悪くならないと症状が出ないと言われています。そして、腎機能が悪くなると高血圧となり、血圧が上がると腎機能が悪くなるという悪循環に陥ります。そして、いったん進行してしまった動脈硬化は、元に戻すことは、現在ではできません。
ではどうすればいいのでしょうか。次回は、高血圧の症状と治療について、お話しします。

2017-07-21 10:23:27

寒いときの入浴の注意

  • 入浴前に脱衣所や浴室を暖めましょう。
    先ほどのように、温度の急激な変化によって、血圧が大きく変動し、その結果失神し浴槽内で溺れることがあります。冬の寒い日は、浴中の死亡事故が増えることに注意して、入浴前には浴室や脱衣所を暖めましょう。浴槽にお湯を入れる時にシャワーを使ったり、お風呂が沸いたら、蓋を外して十分かき混ぜてから入るのもいいでしょう。
  • お湯の温度は41度以下で、湯船に浸かるのは10分以内にしましょう。
    40から42度の間は日本人が好む温度ですが、42度を超えると、血栓(血の塊)ができやすくなると言う怖い作用が出ることがわかっています。また、熱いお湯に長時間浸かっていると、のぼせてぼうっとするなどの意識障害や、体温が上昇することで熱中症を起こす危険もあります。湯船に浸かるのは、10分までを目安にするようにしましょう。
  • 浴槽から急に立ち上がらない。
    湯船に浸かっていると、体にはお湯で水圧がかかり、血管は圧迫されています。その状態から急に立ち上がると体にかかっていた水圧が一気になくなり、圧迫されていた血管は一気に拡張し、血圧が低下し脳に行く血液が減り脳は貧血状態になり、意識がなくなり、その結果浴槽内に倒れ込んで溺れる危険があります。立ち上がるときは、てすりや浴槽の縁につかまってゆっくり立ち上がるようにしましょう。
  • お酒が抜けてから入浴する、食後すぐの入浴は避ける。
    ある温泉で入浴中の事故について調べたことがあります。その結果、お酒を飲んだ後の事故が多かったことがわかりました。お酒を飲んだ後は、十分抜けてから入浴するようにしましょう。また、高齢者の場合は、食後に血圧が下がりすぎる食後低血圧で失神することがあるので、食後すぐの入浴は避けましょう。また、体調の悪い時も入浴は避けましょう。深夜、早朝は気温も低い上に、事故があった時に気づかれにくいため、なるべく避けたほうがいいと思われます。
  • 入浴する前に、家族に一声かけて見回ってもらう。
    入浴中の事故が見つかるきっかけとして、普段よりも入浴時間が長いことがあげられます。また、発見が遅いと死亡につながる危険が高く、入浴中の事故でいったん心肺停止になると、蘇生が難しいと言われています。家族や同居している人がいる場合には、入浴する前に一声かけておきましょう。

2017-02-07 12:53:23

当院の内科全般、診療について

当院では、循環器内科、呼吸器内科を中心に内科全般の診療を行っています。そのうち、呼吸器内科はわかりやすいと思います。もっとも身近な病気としては「かぜや上気道炎」、「急性気管支炎」、「肺炎」、「気管支喘息」などがあります。その他にも「肺気腫・慢性気管支炎(慢性閉塞性肺疾患 COPD)」、「肺がん」、「塵肺」、「間質性肺炎」などいろいろな病気があります。しかし、循環器内科については、どんな病気を診ているのか、ぴんと来ない方も多く、どんなときにかかったらいいのかわからない、と言われることがしばしばあります。
 辞書には、「循環」とは 「ひとまわりして元の場所や状態に帰り、それを繰り返すこと。」あるいは「同じ過程を繰り返したり、同じ経路を繰り返し通ったりする様のこと。」とあります。(一つの例として、高崎市内循環バス、ぐるりんを思い出してみてください。)人間の体を循環するものと言えば、血液ですが、それを循環させるものは、いわば循環のエンジンとしての心臓と、その通り道である血管になります。つまり、循環器内科とは、内科系の中で心臓や血管に関する病気を専門に診療する科のことになります。それでは、心臓や血管の病気にはどんなものがあるのでしょうか。心臓の病気としては、近年増加している狭心症・心筋梗塞、さまざまな不整脈、心臓弁膜症、各種の心筋症などがあります。また、血管の病気としては、動脈硬化が原因で起こる閉塞性動脈硬化症、太い動脈に起こる大動脈瘤などがあり、静脈の病気としては、足の静脈炎や静脈瘤(特にふくらはぎの辺りでミミズがはっている様に見えます。)などがあります。また、動脈硬化の原因となる高血圧も循環器内科の専門とするところです。では、どんなときに循環器内科を受診したら良いのでしょうか。
このような時には、ぜひ受診してください。 胸や背中が痛くなったり苦しくなる、息切れする・息苦しくなる、動悸がする、脈が速い、脈が遅い、脈がとぎれる(あるいは脈が飛ぶ)、めまいがする・意識がなくなる、足がはれる・むくむ、歩くと足がだるくなる・痛くなる。また、検診や人間ドックで、 心臓に雑音が聞こえる、心電図に異常を指摘された、血圧が高い、コレステロールや中性脂肪が高い、血糖が高く糖尿 病が疑われる、尿酸が高いなどの生活習慣病を疑われた時です。時に、血圧が高い(200もある!)が何の症状もないので大丈夫だ、と言う方がいますが、これは大きな誤りです。高血圧も含め動脈硬化による病気は、かなり進行するまで症状がないため、放置しておくと、ある日突然襲いかかってきます。(例えば、高血圧は、サイレント・キラー、静かな殺し屋と言われます。)それが、狭心症であり、心筋梗塞であり、脳梗塞・脳出血であり、大動脈瘤の破裂や急性大動脈解離です。また、高血圧を放置することで、腎臓が悪くなり最悪の場合、人工透析となることもあります。  次に、循環器内科ではどのような検査をするのか、お話ししましょう。心臓の検査としては、心電図、胸部レントゲン写真に加え、超音波心エコー検査がありますし、不整脈の検査としては、先ほどの心電図に加え、24時間心電図検査があります。また、動脈硬化は、以前は眼科の先生に依頼して眼底検査をしてもらうしかありませんでしたが、現在では、脈波伝播速度という検査をすると、動脈硬化の程度が、数字でわかるようになりました。また、動脈硬化の程度を見る別の検査としては、超音波頸動脈エコー検査があります。この検査では、実際に頸動脈の動脈硬化の程度を測定することができます。当院では、これらの検査を受けられます。
当院では、総合内科専門医、循環器専門医として、循環器内科、呼吸器内科にとどまらず、内科全般の診療を行っています。例えば、スギ花粉症の舌下免疫療法も行っています。気になること、心配なことがあれば、お気軽にご相談ください。

2016-11-29 13:51:06